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2026.10.10

親が亡くなったあと、子どものお金は誰が管理する?

親が亡くなったあと、障害のある子のお金の管理を考えるご家族へ。遺言・信託と、日々の支払いを支える日常生活自立支援・成年後見の役割をやさしく整理し、鹿児島市の相談先を案内します。

お金を残すことと、使うのを支えることは別の準備

「親が亡くなったあと、障害のある子のお金は誰が管理するのだろう」。生活費を残す準備を進めるうちに、こんな疑問が出てくることがあります。

大切なのは、本人ができることや希望を中心に、どの場面で誰の支援が必要かを分けることです。財産を渡す準備、毎月の支払い、契約の判断は、同じ仕組みですべて解決するとは限りません。この記事では、遺言・信託・日常生活自立支援・成年後見の役割を、鹿児島市で相談するときの入口として整理します。

最初に知っておきたいこと:障害があるからといって、本人のお金をすべて誰かに任せる必要があるわけではありません。本人の意思を確かめ、困っている手続きに合う支援を相談しましょう。特定の商品や制度を勧めたり、個別の法律・税務上の結論を示したりする記事ではありません。

1.「残す」「渡す」「支払う」「契約する」を分けよう

母親と成人した娘が、将来残す財産の書類と日々の支払い用の財布・記録を分けて整理する様子

例えば、本人が買い物はできても、毎月届く請求書の期限を確認するのは苦手かもしれません。生活費の支払いを手伝う人がいても、相続や不動産の契約まで扱えるとは限りません。まず、次のように役割を見渡します。

準備・支援

主に考えること

遺言

亡くなったあと、財産を誰へどう残すか

信託

託した財産を、契約に沿って管理・交付する

日常生活自立支援

本人との契約に沿って、日々の金銭管理などを支える

成年後見

判断能力や必要な権限に応じ、財産管理・契約を支える

この表は制度を選ぶ判定表ではなく、相談する内容を分けるための整理です。対象・費用・できることは、それぞれの制度や契約によって異なります。根拠となる公式案内は、以下の各節に記載しています。

遺言は「誰に残すか」を考える準備

遺言は、自分が亡くなったあとの財産の承継について意思を残す方法です。ただし、親の遺言を作っただけで、子どもの日々のお金を管理する人や権限まで自動的に決まるわけではありません。きょうだいなど他の相続人との関係、形式、実行する人を含め、弁護士・司法書士などへ個別に確認してください。

法務局には自筆証書遺言書を保管する制度があります。保管制度の案内と、遺言の内容に関する法律相談は区別して確認しましょう。法務省「自筆証書遺言書保管制度の手続き」

信託は「託した財産をどう扱うか」を決める仕組み

信託には複数の種類があります。障害のある人の生活のための仕組みの一つが特定贈与信託です。家族などが財産を信託銀行等に託し、本人の生活費や医療費などとして定期的にお金を交付する仕組みが案内されています。

「交付」は、必要な生活費などのお金を渡すことです。対象となる人、託せる財産、費用、支払い方、変更・終了の制約は、取扱機関へ確認してください。信託の契約が、本人の財産や生活上の契約をすべて扱う権限になると考えないことも大切です。

出典:信託協会「特定贈与信託」。なお、銀行等のサービス名「遺言信託」は遺言作成の相談・保管・執行などを支えるもので、同じ言葉が入っていても役割は異なります。信託協会「遺言信託」

2.毎日の支払いが心配なら、社協に相談できる

成人した娘と社会福祉の支援者が、請求書の封筒と支払い記録を一緒に確認する様子

「公共料金の支払い方が分からない」「預金の出し入れに不安がある」といった、日々の困りごとについて相談できる仕組みが日常生活自立支援事業です。鹿児島県社会福祉協議会では「福祉サービス利用支援事業」として案内しています。

県社協の案内では、判断能力が不十分な方を対象とし、本人に利用する意思があり、この事業の契約内容をある程度理解できることが前提です。手帳の有無だけで決まるものではなく、身体障害だけを理由とする場合など、対象にならない場合も示されています。家族だけで利用できると判断せず、本人の状況を窓口へ相談しましょう。

  • 困っている場面:請求書を読む、期限を確認する、公共料金を払うなど、具体例を伝える。

  • 本人の希望:自分で続けたいこと、一緒に確かめたいことを伝える。

  • 支援の範囲:どの手続きを、どの頻度で、どのように支えるかを確認する。

  • 費用と見直し:利用料、開始までの流れ、状況が変わったときの相談先を聞く。

日々の支払いを支える仕組みを、相続や資産管理のあらゆる手続きを任せられる制度とは捉えないでください。相談したい行為ごとに、対応できる範囲を確認する必要があります。

出典:鹿児島県社会福祉協議会「福祉サービス利用支援事業の概要」。鹿児島市でまず相談先を探したい場合は、鹿児島市社会福祉協議会の生活の困りごと相談で、適切な担当へのつなぎを相談できます。毎月の入金日・支払日を整理する方法は、障害年金と工賃の家計管理のコラムをご覧ください。

3.財産管理や契約の支援は、成年後見も相談の選択肢

成人した娘と母親が法律相談の専門家に、財産や契約で必要な支援について質問する様子

本人の判断能力が十分でないため、預貯金の管理や福祉サービスの契約などに支援が必要な場合、成年後見制度について相談する選択肢があります。法定後見では家庭裁判所が支援する人を選びます。現行の案内では、判断能力の程度に応じて「後見・保佐・補助」に分かれ、行えることも異なります。

親やきょうだいだから自動的に成年後見人になる、希望した候補者が必ず選ばれる、というものではありません。家庭裁判所が本人の状況などを考慮して選任します。専門職が選ばれる場合もあります。

費用や報酬、支援する人の責任、利用後の報告、終了できる条件も、利用前に確認したい点です。「通帳を預かってもらいたい」という一つの理由だけで決めず、本人に必要な支援の範囲を専門家と確かめましょう。

出典:裁判所「後見ポータルサイト」/厚生労働省「成年後見人等の選任と役割」

制度の改正と、今使える制度は分けて確認

2026年6月には、成年後見を補助の制度へ一元化する見直しなどを含む法律が成立・公布されました。法務省は、この成年後見の改正について、公布日から2年6か月以内の政令で定める日に施行すると案内しています。

注意:法律が成立したことと、新しい仕組みで手続きできることは同じではありません。この記事は2026年10月10日に確認した裁判所等の現行案内に沿った一般的な整理です。「いつでも終われるようになった」などと先取りせず、相談時点の施行状況・経過措置を確認してください。法務省「成年後見及び遺言の制度の見直し」

鹿児島市では、鹿児島市成年後見センターが制度や手続きの相談を受け付けています。電話は099-210-7073。来所は事前に連絡し、必要に応じた専門相談の案内を確認してください。

4.親が元気なうちに「誰が何を支えるか」を書き出す

成人した娘と母親が、支援者に共有する資料と安全に保管する書類を整理する様子

制度名を覚えるより先に、本人の生活で必要な支えを一つずつ書き出してみましょう。誰か一人にすべてを背負わせるのではなく、相談・日々の支援・法律上の手続きを分けて考えることが出発点です。

  1. 本人の希望を確かめる:自分で買いたいもの、使いたいお金、相談しやすい相手、説明の受け方を聞く。

  2. 今、親がしていることを分ける:請求書の確認、銀行への連絡、契約書の説明、将来の相続などを別々に書く。

  3. 支援する人と窓口を結び付ける:その人が引き受けられるか、必要な契約や権限は何か、難しくなったときの相談先はどこかを確かめる。

共有資料に暗証番号・パスワードを書かないようにしましょう。口座等の機密情報は、本人の意思と安全な管理方法を確認したうえで、必要な相手に必要な範囲だけ伝えます。本人の伝え方や生活上の希望の整理は、本人情報シートにまとめたい項目のコラムも参考にできます。

日々必要な支払いは暮らす場所によっても変わります。具体的な費用項目は、グループホームの家賃・食費・光熱水費を整理するコラムへ。住まいも並行して考える方は、鹿児島市の女性専用障がい者グループホーム「マルシェ」の案内をご覧ください。

鹿児島市で将来の暮らしや事業所の見学を合同会社歩へ相談することもできます。遺言・信託・成年後見の契約や法律・税務上の判断は、それぞれの窓口や専門家へご確認ください。事業所に相談することと、財産管理を依頼することは別です。空き状況や個別の利用可否も、問い合わせ時に確認してください。

本記事は、合同会社歩の障害のある子の「親なきあと」を考えるnote記事を企画の参考に、異なる支援の役割として独自に再構成した連載第5回です。公式情報の確認日は2026年10月10日です。利用できる制度、適切な方法、費用や手続きは個別の状況で異なります。

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